外食業務店でのびんリユースシステムの構築
実施年度 | 平成21年度 環境省 |
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受託団体 | ガラスびんリサイクル促進協議会 |
事業目的 | 【ワタミグループ外食店舗が取り扱うびん商品のリユースシステム構築】 ワタミグループでワンウェイプライベートブランド商品であるびん商品(「わたみ日本酒」「わたみん家日本酒」)についてリユースシステム(充填・流通・販売・回収・洗浄・再使用)を確立する。 その実現のため、関係する関係事業者や従業員の役割と課題明確にする。合わせてびんの回収率・分別率などの調査に基づいて環境負荷低減効果を定量的に把握する。 |
事業概要 |
(1)びんリユースシステムの構築 ワタミグループ外食店舗から排出されるびんを、ワタミ配送ルート(*3)で回収し、“びん商”(*4)業者で洗浄、再び酒造メーカーへと循環させる。
*3 毎日店舗に納品される備品と飲料の配送ルートのこと。 (2)環境教育の実施 本事業を成功させるためには、リユースびんシステムを実施する全店舗が徹底した分別作業を行うことが重要である。そのため、研修会にて環境教育の実施や、店舗の分別状況をフィードバックすることにより、店舗の分別率向上を図る。[1]社員研修会にて環境教育の実施 [2]分別状況調査と分別改善結果について (3)普及・啓発 リユースびんの取り組みについて、社会全体に広げるために、その周知を行う。[1]リユースびんのポスター作成、掲示 [2]マスコミ掲載 |
事業の推進体制 |
*1 「P箱」とは、商品流通に使用されるプラスチックコンテナーのこと |
事業の成果 |
(1)リユースびん対象商品の選定 ■選定理由[1]店舗からの発注単位がケース単位であったから(=出数が多いこと)。発注が1本単位の場合、回収や保管が困難になる。 [2]PB 商品。限られた範囲内での流通のため、循環フローの変更が可能であったから。 [3]酒造メーカーである兜カ楽が、配送効率が良く配送コストが低コストで抑えられる埼玉県内にあったから。 ■リユースびん対象商品の決定 びんリユースシステムの構築事業に対し、PB 商品の酒造メーカーである(株)文楽の賛同を得られたこと。 わたみ日本酒 わたみん家日本酒 ■商品について(*) 【原材料名】米・米こうじ・醸造アルコール 精米歩合60% こうじ米の使用割合15%以上 【容量】 300ml * わたみ日本酒とわたみん家日本酒は同じ商品であり、ラベルのみ異なる。 (2)対象店舗(平成22 年2 月1 日時点)の選定 ■ワタミグループ外食店舗の対象店舗と対象業態【対象店舗】合計379 店舗 (全店舗数=593 店舗) 【業態】 和民、坐和民、和み亭、饗の屋、わたみん家の5 業態 ■内訳(対象店舗数/業態全店舗) 【わたみ日本酒】 和民 ・・・139 店舗 /198 店舗 坐和民 ・・・89 店舗 /191 店舗 和み亭 ・・・15 店舗 /15 店舗 饗の屋 ・・・1 店舗 /1 店舗 【わたみん家日本酒】 わたみん家・・・135 店舗 /188 店舗 ■対象エリア ・東京都 ・・・247 店舗 ・千葉県 ・・・34 店舗 ・埼玉県 ・・・35 店舗 ・神奈川県 ・・・60 店舗 ・茨城県 ・・・3 店舗 (3)リユースびん循環フローの決定とリユースびんの経済性の検証 ■リユースびんシステム実施前のびん循環フローワタミグループ外食店舗から排出されたびんは、都道府県・地方自治体に応じたゴミ分別ルールに合わせて廃棄する。その後、廃棄物処理委託業者によって回収され、リサイクル処理、もしくは埋立処分を行う。 ■びんリユースシステム実費用施後のリユースびん循環フロー (わたみ日本酒、わたみん家日本酒に限る)とリユースびんの経済性 ワタミグループ外食店舗から排出されたびんは、専用P箱に戻し、ワタミ配送ルートで回収し、びん商業者で洗浄、再び酒造メーカーへと循環させる。 また、リユースびんを売買することで、関係各社がボランティアではなく事業として成立させる持続可能な仕組みを創った。 (4)リユースびん循環状況 スタート時のリユースびんの出荷量や回収量は概ね以下の通り。* 調査協力会社 ⇒株式会社文楽、三陽物産株式会社、協和硝子株式会社、株式会社トベ商事、株式会社フーズコンテナー、ワタミフードサービス株式会社 月間の平均リユースびん循環状況(モデル事業スタート時) (5)普及・啓発 ワタミ各店舗(リユース対象379 店舗)の店頭にてポスターを掲示ポスター B3 版 |
成果・課題 |
(1)地域拡大について 本事業では、限られた地域(東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県、茨城県)を対象に事業を実施した。しかしながら、ワタミ外食店舗は、日本全国(北海道から鹿児島まで)に店舗が拡散しており、びんリユースシステムの地域拡大が今後の検討課題として挙げられる。具体的には、酒造メーカーが首都圏内にあるため、遠方からの物流の仕組みと物流コストが課題となってくる。 (2)リユースびん対象商品の拡大について 本事業では、PB 商品であるわたみ日本酒とわたみん家日本酒の商品を対象に事業を実施した。しかしながら、ワタミグループ外食店舗には、日本酒・ウイスキー・焼酎などの多種多様なびんがある。PB 商品に限らず、NB 商品(ナショナルブランド商品)においてもびんリユースシステムを構築していくことが今後の検討課題として挙げられる。具体的には、容器の規格統一や酒造メーカーに対して、リユースびんの推奨や環境負荷低減効果を強調していくことが課題となってくる。 |