リターナブルびん宅配システムの構築
事業名 | リターナブルびん宅配システムの構築 |
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実施年度 | 平成18年度 経済産業省 |
受託団体・実施体制 | ガラスびんリサイクル促進協議会 |
事業目的 | 【酒販店の宅配システム強化によるリターナブルびんの普及と次世代的回収システムの可能性の検証】 リターナブルはこれまで酒販店ルートを通じて回収されてきた。しかし酒販店の減少や業態変化により回収ルートとしての弱体化が懸念されている。 反面、酒販店がこれまで行ってきた宅配は、社会の高齢化や経済のサービス化の中で、消費者に利便性を提供するサービスとしてその可能性が注目される。宅配は酒類販売自由化の中でマーケティングの強化を求められている小売酒販業界にとってもその営業強化の一策としてメリットをもたらすと考えられる。このような観点から、リターナブルびん販売店回収ルートの次世代的なシステムとして、宅配の回収システムの可能性と最適な運営方法を検証することが目的である。 |
事業概要 | (1)宅配回収システムの概要 (イ)宅配システムの基本コンセプトは、[1]商品の配達と同時に空きびんを回収することにより、サービス的要素を加味し消費者のびんリユースを促進すること、[2]同時回収によりリユースに要するエネルギーの節約を図り省エネ志向のびんリユース物流を実現することの2点である。 (ロ)当システムの運用上、従来行われてきた「宅配サービス」とは異なる点は以下の3点である。 [1]地域パブリシティ(タウン誌)活用・ポスター掲示・チラシポスティングにより対地域PRを行い、電話のみならずFAX・電子メールでも受注が可能 [2]商品の配達・家庭での保管・空きびん回収に使える通い箱(段ボール製)の導入 [3]返却空きびんに対するポイントカード制のプレミアム(オリジナルショッピングバッグ)の提供 (2)リターナブルびんに関する消費者意識調査 茅ヶ崎市の消費者がリターナブルびん及び宅配に対してどのような意識を持っているかについて、宅配回収システム実証実験の事前及び事後にアンケート調査を実施した。 ・宅配を通じて自宅に販売店が空きびん回収にくれば、びんリユースに取組みやすくなるかを尋ねたところ、実証実験前は「そう思う」が半数強を占めた。また、実証実験後は「そう思う」が60%となり、実証実験の後では約1割増加している。 宅配回収チラシ |
成果・課題 | <宅配システムによるリユース拡大の可能性> (1)具体的に何がリターナブル商品かを明確にすること、リターナブル商品の環境保全上の意義をPRすることにより、消費者の関心を喚起することは可能であった。 しかし消費者が酒類を購入するときのみ訪問する一般酒販店においては、来店による機会創出はやや困難であり、むしろ宅配システムを通じた取組みが機能した事例が確認できた。 (2)生活必需品を購入する目的で消費者が多頻度訪問する量販店において、環境保全上の意義とリターナブル商品を明確化する中で、効果的なキャンペーンを展開し、かつ空容器の店頭回収の受入れ体制を確保することで、リターナブルびん商品の拡大の可能性はあると思われる。 (3)宅配機能を有する一般販売店においても、環境保全上の意義とリターナブル商品を明確化することを前提に、宅配サービスを新しいサービスとして広くPRすることにより、リターナブル商品の可能性はあると思われれる。 (4)発生抑制が課題である市町村においてはリユースの促進は重要な課題であり、こういった一部の経済活動を広報紙等で広く広報する全面的な支援体制が求められる。 |