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びんリユース事例紹介

青森県青森市

限りある資源を有効活用
行政主体の「生きびん収集」

青森県青森市では、収集後に洗浄・殺菌・検査を経て再使用される「生きびん(リターナブルびん)収集」が、行政によって取り組まれている数少ない自治体です。

また、生きびんを別途収集しているにもかかわらず、容器包装リサイクル法に基づく市町村のガラスびん分別基準適合物引渡量の人口1人当たり実績は全国計よりも高く(令和4年度:青森市6.80kg/人、全国4.96kg/人)、ガラスびんのリユースとリサイクルに熱心に取り組んでいます。

青森市のビールびん・一升びん収集
「生きびん」への理解と活動の定着

青森市は、1999(平成11)年からモデル地区での資源ごみの分別収集を開始。2001(平成13)年から市内全域に拡大し、資源ごみ(生きびん・空き缶・ペットボトル・古紙類)の収集を開始しました。2002(平成14)年に収集品目をガラスびん・空き缶・ペットボトルに変更し、生きびんと古紙類は資源ごみとは別に収集するようになりました。

「2005(平成17)年に旧青森市と旧浪岡町が合併し、“新”青森市が誕生しました。ごみの分別は住民負担を考慮して、それぞれ元の自治体のルールが継続されました。このため、現在は青森地区(旧青森市)だけで資源ごみとは別に月2回、委託業者が古紙類と同じ日に生きびんの行政収集を行っています。

生きびんとして行政収集しているものは、日本国内でリターナブルびんとして流通しているビールびんと透き通る茶色と透き通る緑色の一升びん(丸正1800mlびん)で、中を水で軽くすすいで水を切り、キャップははずして出すルールとなっています。収集対象以外のびんが出されている場合は注意シールを貼って残置し、正しい分別排出を促しています。また、販売店への返却、町会の集団回収の利用も提示することで、生きびんの収集をより広く推進しています。
排出状況

青森地区の排出状況

収集状況1

青森地区の収集状況1

収集状況2

青森地区の収集状況2

収集状況3

青森地区の収集状況3

生きびんの収集量は、行政収集で34トン(一升びん換算で約3万5,800本)、集団回収で30トン(一升びん換算で約3万1,600本)、合計64トン(一升びん換算で約6万7,400本)に上ります。

なお、浪岡地区(旧浪岡町)は生きびんを区別して収集していませんが、ガラスびんは単独色別にコンテナで収集されるため、資源ごみリサイクル施設「ECOプラザ青森」でガラスびんの選別ラインに流される前に抜き取られています。
保管状況

ECOプラザ青森での保管状況


市民への啓発に力を入れ
生きびん収集の精度を上げていきたい

生きびん収集の対象となる日本国内でリターナブルびんとして流通しているビールびんと透き通る茶色と透き通る緑色の一升びん以外のものは、資源物のガラスびんとして別の収集日に分別収集しています。しかしその中には1日当たり約100本程度、生きびんが混入されているのが現状です。これが正しく分別され、生きびんとして無駄なく再使用されるよう、市民への啓発に力を入れて、より一層、収集の精度を上げていきたいと考えています。