株式会社土と野菜
「土」に根ざした多様な活動
より新しく魅力的な資源循環を目指す
株式会社土と野菜は、食の未来に必要な循環・土・野菜にフォーカスした会社です。本社を沖縄県那覇市に置きつつ、京都市内の実店舗を拠点に、土壌改良剤やスマート農業企画の開発、卸売、小売、飲食業、肥料製造施設(メタン発酵施設)の活用、麻袋を活用した芝生の育成など、循環型社会に向けて多様な活動を行っています。
また、日本酒プロジェクト「奏(kanade)」では、その土地の食材(アテ)に合わせた日本酒を、酒蔵との共同開発で地域の魅力をより深く提案すると共に、容器にはリユースびんを使用するなど、斬新な発想から資源循環を推進しています。今回は代表取締役の中川典也さんに、これまでの活動内容と今後の展望についてお話を伺いました。
また、日本酒プロジェクト「奏(kanade)」では、その土地の食材(アテ)に合わせた日本酒を、酒蔵との共同開発で地域の魅力をより深く提案すると共に、容器にはリユースびんを使用するなど、斬新な発想から資源循環を推進しています。今回は代表取締役の中川典也さんに、これまでの活動内容と今後の展望についてお話を伺いました。
株式会社土と野菜 代表取締役 中川 典也 氏
新たな日本酒の価値を創造
「奏(kanade)」ブランドの設立
農家の所得向上と後に事業の柱となる「資源循環」に繋がり、環境にも人にもより良い循環を目標としていくことが我々の使命だと考えています。
「奏(kanade)」は、海外での需要が高まりつつも国内では売上で苦戦する日本酒を盛り上げるために立ち上げたプロジェクトです。日本酒は地域に根付いたものが多いので、その土地の食文化に合わせたお酒を酒蔵と開発して、ユーザーに調和を楽しんでもらうことを目指しています。こうした感動体験により、その地域の魅力の発見を促し、さらには地域活性にも繋がる相乗効果が期待できます。
この商品にリユースびんを使用するきっかけは、京都で洗びん業を営む(株)吉川商店の吉川康彦社長(全国びん商連合会副会長)との出会いです。同じように資源循環を主体とする事業者として交流する中、一升(1.8L)びんのリユースはシステムが出来上がっているが、720mlびん(4合びん)と300mlびんはリユースできるのに、割って砕いてカレット(再生原料)になっている現状を知り、リユースびんとしての活用法を考えるようになりました。主に、300mlびんのリユースが盛んに行われている宮城県酒造組合からの学びや、東京の洗びん業者の(株)トベ商事での見学などを経て、「奏(kanade)」にはお土産としても手軽で、女性でも飲みきれるサイズの300mlリユースびんを採用しました。破砕して熱で溶かして、再生するびんのリサイクルと比べて、びんを洗って繰り返し使うびんリユースは約80%のCO2排出量の削減に繋がり、格段に環境負荷を軽減できます。
また、ラベルは、洗びん(洗浄)の工程で剥がしやすくすることを考え、今まで剥がれやすさから敬遠されてきた布製ラベルを採用しました。素材は大手アパレル企業の協力を得て、Tシャツ製造時の残布を有効利用しています。デザイン面でも商品の個性として好評をいただいております。
「奏(kanade)」は、海外での需要が高まりつつも国内では売上で苦戦する日本酒を盛り上げるために立ち上げたプロジェクトです。日本酒は地域に根付いたものが多いので、その土地の食文化に合わせたお酒を酒蔵と開発して、ユーザーに調和を楽しんでもらうことを目指しています。こうした感動体験により、その地域の魅力の発見を促し、さらには地域活性にも繋がる相乗効果が期待できます。
この商品にリユースびんを使用するきっかけは、京都で洗びん業を営む(株)吉川商店の吉川康彦社長(全国びん商連合会副会長)との出会いです。同じように資源循環を主体とする事業者として交流する中、一升(1.8L)びんのリユースはシステムが出来上がっているが、720mlびん(4合びん)と300mlびんはリユースできるのに、割って砕いてカレット(再生原料)になっている現状を知り、リユースびんとしての活用法を考えるようになりました。主に、300mlびんのリユースが盛んに行われている宮城県酒造組合からの学びや、東京の洗びん業者の(株)トベ商事での見学などを経て、「奏(kanade)」にはお土産としても手軽で、女性でも飲みきれるサイズの300mlリユースびんを採用しました。破砕して熱で溶かして、再生するびんのリサイクルと比べて、びんを洗って繰り返し使うびんリユースは約80%のCO2排出量の削減に繋がり、格段に環境負荷を軽減できます。
また、ラベルは、洗びん(洗浄)の工程で剥がしやすくすることを考え、今まで剥がれやすさから敬遠されてきた布製ラベルを採用しました。素材は大手アパレル企業の協力を得て、Tシャツ製造時の残布を有効利用しています。デザイン面でも商品の個性として好評をいただいております。
「グリーン・ライフ・ポイント」推進事業へ
MOAIポイントで拡大するリユースびんの活用
当社は環境省が推進する、食とくらしの「グリーンライフ・ポイント」推進事業に採択され、2023年2月から日本酒「奏(kanade)」を対象にポイントの発行を開始しました。ポイント名は、沖縄独特の「互いを助ける」という風習の「模合(もあい)」に因んで、「MOAI」ポイントと名付けました。QRコードを読み取って登録していただければ、どなたでも参加が可能です。対象商品の購入・店舗への返却などの環境配慮活動に対してポイントが付与され、貯まったポイントは洋服や小物、野菜、飲食店での割引など、様々な特典を得られます。
リユースびんの枠を越えて
資源循環に向けた取り組み
また、「無色」と「茶色」のびんはほぼ100%、「その他の色」のびんは40%強がガラスびんにリサイクルされています。「その他の色」のびんの残りはガラスびん原材料以外の用途でリサイクルされ、そのひとつが、高温で焼成して、微細な穴の開いた多孔質ガラスに加工し、土木資材、緑化資材、土壌改良剤、畜産用の脱臭装置や青果の栽培に使う培土として活用されています。
当社のその他の取り組みでとして欠かせないのは、肥料製造施設(メタン発酵施設)の活用です。メタン発酵とは、私たちが生活する中で生まれる有機的な廃棄物や資源を再生利用して、エネルギーに生成する方法です。例えば、生ゴミを発酵槽(世界初、フィルム式メタン発酵槽)に投入すると、槽内のメタン菌が食べて、メタンガス(バイオガス)と消化液に分解します。メタンガスは、電気発電や熱利用などのエネルギーとして利用でき、消化液は農地で使われる有機肥料となります。メタン発酵は、畜産物や農産物の循環、地域循環を可能にするエネルギー活用として期待されています。
当社のその他の取り組みでとして欠かせないのは、肥料製造施設(メタン発酵施設)の活用です。メタン発酵とは、私たちが生活する中で生まれる有機的な廃棄物や資源を再生利用して、エネルギーに生成する方法です。例えば、生ゴミを発酵槽(世界初、フィルム式メタン発酵槽)に投入すると、槽内のメタン菌が食べて、メタンガス(バイオガス)と消化液に分解します。メタンガスは、電気発電や熱利用などのエネルギーとして利用でき、消化液は農地で使われる有機肥料となります。メタン発酵は、畜産物や農産物の循環、地域循環を可能にするエネルギー活用として期待されています。
コミュニテイーで築く循環型社会
多様な分野での仲間をつくる
また、同志社大学小谷ゼミの学生たちと共同で「リユースびん×日本酒」をテーマに、リユースの推進活動も行いました。日本酒カクテルの試飲会や、マイびんづくり(参加者がびんのタグを作成するワークショップ)、SNSでの情報発信など、普段は日本酒に親しみが薄い20代にとってとても新鮮な体験だったと思います。
今後の課題としては、やはり活動の認知拡大に尽きます。特にびんリユースの取り組みは、エンドユーザーとなる消費者側の理解がなければ成立しませんし、逆にそのニーズを得られれば、全体が動くとも捉えています。これからも、新しいアイデアやテクノロジーを積極的に取り入れ、常に変化をつけることを意識して展開を続けていきたいと思っています。
今後の課題としては、やはり活動の認知拡大に尽きます。特にびんリユースの取り組みは、エンドユーザーとなる消費者側の理解がなければ成立しませんし、逆にそのニーズを得られれば、全体が動くとも捉えています。これからも、新しいアイデアやテクノロジーを積極的に取り入れ、常に変化をつけることを意識して展開を続けていきたいと思っています。