第11回 我が国におけるびんリユースシステムの在り方に関する検討会
開催日時 | 2014年3月28日(金) 16:30〜19:00 |
開催場所 | 大手町サンスカイルーム 24階 E室 (東京都千代田区大手町2-6-1 朝日生命大手町ビル) |
検討会 会場
第11回我が国におけるびんリユースシステムの在り方に関する検討会が開催され、
(1)平成25年度びんリユースシステム構築に向けた実証事業
(2)平成25年度学校給食用牛乳びんの導入支援に向けたモデル事業の成果報告
(3)平成25年度の取組み及び今後の取組み
についての議論が行われました。
検討会の内容
(1)平成25年度びんリユースシステム構築に向けた実証事業の成果報告
1. 関東連絡協議会の取組み
現在びんがどの様な状況にあるのか関東甲信越市域(1都10県)で行った現状調査、静岡地区、山梨地区、茨城地区、東京地区を対象とした現地調査、新規リユースびんの検討、ウェブサイトを作成しネットワークを構築し情報の共有化を図る、「関東甲信越びんリユース推進協議会」の立ち上げについての報告が行われた。
リユースびんがカレット化されている現状、販売後適正にリユースされるためのシステム作りの必要性、リユースびんに対するメーカー側の知識不足をいかに改善していくかが今後の課題である。
2. 大阪びんリユース推進協議会の取組み
3Rの取組みの旗印となる大阪リユースびん「大阪撰茶 茶々(ちゃちゃ)」の開発とその推進システムの構築について報告が行われた。
利休生誕の地、大阪・堺創業の茶葉を使用した、リユース対応びんRドロップス2に充填された一般財団法人大阪府みどり公社のサポートによるカーボンオフセット付商品となっている。パンフレット、ポスターの作成、ニュースリリースでPRを行った。2月20日に3820本の製品が出来上がり、3月20日までに約1500本を出荷(卸値は120円)。今後は販路の拡大を検証しつつ「大阪びんリユース推進協議会」のメンバー増員、他団体との連携を図りながらリユースびん事業を拡大していきたい。
3. World Seedの取組み
奈良県における更なるびんリユース推進体制を構築すべく、「大和(やまと)びんリユース推進協議会」を設立と、平成24年度から続くリユースびん入り大和茶『と、わ(To WA)』開発・販売事業のインターネットを活用した広報媒体の構築、3月20日に開催されたびんリユース推進シンポジウムへの協儀会としての協力についての報告が行われた。
協議会の構成員として、奈良市・生駒市が幹事として参画していることが特徴。4月15日に設立総会を開催予定。今後は事業者、特に充填業者の参画に向けて協議を行っていく。『と、わ』に関してはホームページを作成して情報発信を行い、また、奈良県内の各酒屋での販売できるよう、販路拡大に取組む。
4. NPO団体岡山賢人プロジェクトの取組み
岡山において、びんリユース推進を図るための象徴的アイテムとして岡山県産茶葉を用いたリユースびん入り飲料「晴・Re・茶(はれちゃ)」を開発・調査・販売についての報告が行われた。
岡山の産学官民すべての主体に対してリユースの認知・体験を促すことを目的としている「晴・Re・茶」は、カーボンフットプリント(CFP)事務局によりCFP宣言認定製品として認められているため、びんにはCFPマーク・数値が表示されており、消費者に環境負荷削減効果を分りやすく示していることが特徴的。試飲調査・試験販売の結果、調査ではリユース・環境保全に協力的な層へのリユースの普及・定着を図ることの必要性が、販売では表面的なコストパフォーマンスの印象が割高となった可能性があり今後十分な検討が必要であることが分かった。この結果をふまえて、今後活動してきたい。
(2)平成25年度 学校給食用牛乳びんの導入支援に向けたモデル事業の成果報告
◎ びん再使用ネットワークの取組み
平成24年4月27日閣議決定された第四次環境基本計画や平成25年5月31日閣議決定された第三次循環型社会形成推進基本計画において、“2Rの推進”が掲げられ、より持続可能な循環型社会の構築に向けた方向性が示された。この機会を活かすため「学校給食用牛乳びん(以下:学乳びん)導入支援プロジェクト」を立ち上げ、「学乳びん導入による効果とコストを明らかにすること」を獲得目標とした。さらには学乳びんを通じて、「もったいないという情操を子供たちに育むこと」につなげていく。
平成25年度は「学乳びん導入支援プロジェクト」を立ち上げ学乳びんを導入している自治体の調査、都内小中学校で学乳びんを希望する自治体へ関係者へのアプローチ、関係者向けの広報用ツールとして「説明パンフレット」を3000部作成し活用の呼びかけを行った。結果、びんに変えることで「学校給食会」から外れることの不安やコストアップ、保管スペースの確保、乳業メーカーを近距離で確保できるのか、市販牛乳180ccと学乳びんの通達サイズ200ccの違いと製造ラインの調整などの課題が明らかになった。
平成26年度以降の活動計画(案)として、導入支援の詳細資料作成と配布、びん牛乳の試飲とアンケート調査、課題解決に向けた関係方面への働きかけを行い、11月に27年度の導入の意思決定の予定。27年度は導入後の環境負荷、教育効果、アンケート調査を実施し、効果の検証を行う。
(3)平成25年度の取組み及び今後の取組みについて
1. 平成25年度の取組みについて
- 平成25年度は検討会を2回(第10回、第11回)開催。公募により選定した「びんリユースシステムの構築に向けた実証事業」の4件、「学校給食用牛乳びんの導入支援に向けたモデル事業」の1件、その事業計画及び成果について検討会にてご審議・ご検討いただいた。
- 第10回検討会において、「地方自治体における先進的なリユースびん導入事例について」として、奈良市、生駒市からのヒアリングを実施した。
- 平成26年3月20日(木)に奈良市内において「びんリユース推進シンポジウム」を開催、約80名の方に来場・参加いただいた。
2. 今後の取組みについて(ご意見)
- 環境教育の一環として、実際にものがあることで伝わることがあるので、イメージ化していただけたら。
- 幅広い範囲で取組みの検討をお願いしたい。例えば生産事業者を検討会のメンバーに入っていただくことで、具体的に事業として進めて行く時の課題などに幅広い観点で意見をいただきたい。
- 全体としてどの様な枠組みの中で進めて行けばいいのか検討いただくかというところに、推進力をつけていただく。
- びんのリユースは地域ごとにどこまでネットワークを作ってリンクできるのか、女子大の栄養学科と連携するなど、いままでと違う発想で地域の中でどういう資源があるかというものがワンスポットになったデータが必要になってくるのではないか。
◎ 閉会のご挨拶
環境省 大臣官房廃棄物・リサイクル対策部 企画課 リサイクル推進室 室長 庄子 真憲 氏
庄子 真憲 氏
「びんリユースにはいろいろ難しい課題がございますが、もちろんびんリユースを考えていく上ではごみの減量が重要な観点でありますものの、この取組みの特徴としては、様々な主体の方々がかかわっていくことで、人と人との繋がりであるとか、地域づくり等の効果を生むことが期待されるところでございまして、こうした点に大きく目を向けていきたいと思っております。
折しも今、容器包装リサイクル法の見直しの検討を進めてございますが、その中でもリユースの取組みの推進は大事な課題でございます。今年度のこの検討会のご意見を十分に参考にさせていただき、また来年度も先生方にご指導いただきながら検討してまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。」