第6回 我が国におけるびんリユースシステムの在り方に関する検討会
開催日時 | 2011年10月26日(水) 10:00〜12:00 |
開催場所 | 大手町サンスカイルーム 24階 E室 (東京都千代田区 大手町2-6-1 朝日生命大手町ビル) |
我が国におけるびんリユースシステムの在り方について(取りまとめ案)の検討
検討会 会場
飲料用のびん等のリユースについて、回収・再使用に係るシステムの維持、および新たなびんリユースシステムの構築について、第6回目の検討会が行われました。今回は、前5回に渡って検討されてきた、びんリユースシステムの現状分析と今後の課題についての最終取りまとめ案が提示され、関係各位による意見交換が行われました。
取りまとめ案について、「インセンティブの取り上げ方」、「分担から連携への重要性」、「地域コミュニティの活動との係わり」など、さまざまな意見がでました。中には、「個々のテーマを並べた現状分析はできている。しかし具体的にどうするかが議論不足」といった厳しい意見も。びんリユースの取り組みを進めていくためには、総合的な政策を作って、大きな筋道(ロードマップ)を立てることが今後の課題とのことです。
平成23年度びんリユースシステム構築に向けた実証事業状況報告
平成23年度びんリユースシステム構築に向けた実証事業にて、対象となる4事業について事業開始から1ヶ月経った現在の進捗状況が報告されました。
この報告に対して、「4つの事業をどのように評価するか」という意見があがり、コスト・本数・環境効果などの評価基準が提示されました。どこまで統一的に評価できるのか。今後の比較もしやすいような結果にまとめることが検討課題として挙げられました。
各事業とも、平成24年2月に取りまとめ、3月の検討会にて報告予定です。
座長・委員コメント
検討会終了後、6回の議論を通じて、座長の安井氏(国際連合大学名誉副学長)は以下のようにコメント。
「取りまとめの大枠は決まりましたが、その成果として今後のロードマップを描かなくてはいけません。しかし、大きな道を描くと、その途中にある小石につまずいてうまくいかないという話もあります。その小石の正体が何なのか。P箱のサイズの問題か、王冠とキャップの問題か。そういった本当に些細なことまで明らかにして、皆さんで問題を共有するための基盤ができたのではないかと思います。
あとは、皆さんで議論をして、リユースとリサイクルの根本的な違いを意識してほしい。各主体の“役割分担”で終わるのではなく、その間の連携がないとリユースは繋がりません。その本質の差を共有していただくことが重要かと思います。」
また、安井氏の意見を受け、検討会委員の馬奈木氏(東北大学大学院環境科学 研究科 准教授)は、以下のようにコメント。
「安井先生のおっしゃるように、リユースは連携、という点は、より環境運動に近いことですね。リサイクルはビジネスで済むところもありますから。
問題は、各団体がそのビジネスと環境を結びつけたリサイクルの手法を、リユースに持ってこようとしていることです。
そこで、分担から連携に切り替えるわけですが、そこはギャップが大きい。次に地域コミュニティのまとめの議論に入るのですが、そこでも、リユースだけのことと地域コミュニティの復興ではギャップが大きい。結局は今の段階ではうまくいかないんです。
うまくいかせるためには、地域の人たちも巻き込んで政策を決める。中央省庁だけでなく自治体の人々も巻き込んで協力していくことです。その必要性がはっきりと認識できたことが良かった点ですね。」
次回の検討会は、2012年3月を予定。
また、検討会の一環として、11月14日(月)に郡山で、「びんリユース推進シンポジウム」が開催されます。