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リターナブルびん市場解説

1.8L壜利用及び回収に関する調査(2022(令和4)年度実績)集計結果概要

実施:1.8L壜再利用事業者協議会

対象期間:2022(令和4)年度(2022(令和4)年4月〜2023(令和5)年3月)


容器包装リサイクル法第18条に基づく自主回収認定容器である1.8L壜について、自主回収の状況(利用量ならびに回収量)の調査集計結果を基に自主回収状況報告書を作成し、令和5年6月30日に所管省庁である国税庁に提出し、収受されました。調査集計結果の概要は下記の通りです。

1.8L壜の回収率(2022(令和4)年度実績)

2022(令和4)年度の1.8L壜利用量は82,560千本(78,432トン)、回収量は58,221千本(55,310トン)、回収率は70.5%でした。

P箱出荷比率は改善したものの、従来から続く新壜構成比の増加による回収壜需要の減少によるものと推察され、自主回収認定の基準となる回収率(※)を下回っていることには変わりなく、引き続き自主回収認定の継続、ならびに1.8L壜の再使用(リユース)システムの維持への懸念があります。

※自主回収認定の基準となる回収率は「おおむね90%」と定められており(容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律施行規則 第20条)、「現状の回収率が80%以上であり、その回収の方法から判断して、おおむね90%の回収率を達成するために適切なものであると認められる場合」も認定することとされています(平成10年3月 旧通商産業省通知自主回収の認定の留意事項)。
本数(千本) 重量(トン)
出荷数量 @ 82,560  78,432 
回収びん総量 A 58,221  55,310 
回収率 A/@ 70.5%

1.8L壜の出荷状況と回収率の推移(2003(平成15)〜2022(令和4)年度実績)

1.8L壜の出荷数量(利用量)は、年々減少しており、20年間で5分の1程度まで減少。回収率は平成24年度まで80%以上でしたが、平成25年度以降70%台が多い状況で、今年度は70.5%となりました。これは前述のように、従来から続く新壜構成比の増加による回収壜需要の減少が影響していると推察されます。 1.8L壜の出荷状況と回収率の推移グラフ
(単位:千本)
年度 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24
日本酒 176,932 152,690 148,259 136,375 129,942 114,881 101,172 100,456 82,943 79,946
焼酎(連続式) 8,601 6,454 5,099 5,423 4,389 4,854 3,364 5,455 2,669 2,620
焼酎(単式) 72,741 76,642 86,978 70,840 83,118 65,959 62,388 45,866 51,708 57,380
その他酒類 12,832 10,640 10,261 12,381 10,601 9,511 8,105 7,816 6,134 6,011
醤 油 47,994 43,983 38,697 32,794 30,171 29,613 27,090 24,146 19,904 15,142
食用酢 9,884 8,882 8,112 6,658 5,989 5,193 4,471 3,790 3,457 2,714
その他 5,534 4,098 4,366 3,463 2,980 2,789 1,181 1,533 999 691
出荷数量 計 334,518 303,389 301,772 267,934 267,190 232,800 207,772 189,062 167,814 164,505
報告回収率 87.0% 85.4% 86.0% 86.6% 85.8% 88.2% 85.6% 85.6% 83.4% 81.3%
年度 H25 H26 H27 H28 H29 H30 R1 R2 R3 R4
日本酒 82,905 75,673 80,409 72,762 74,093 70,406 65,409 52,227 43,816 46,530
焼酎(連続式) 2,068 2,190 2,588 1,904 1,936 2,208 2,375 1,792 1,418 1,555
焼酎(単式) 48,976 43,210 41,277 41,145 34,759 33,262 30,209 20,285 23,090 25,513
その他酒類 6,212 5,763 5,148 5,502 7,557 5,833 4,836 3,576 2,940 3,619
醤 油 14,798 12,885 11,145 9,232 9,068 7,364 6,596 5,439 4,731 4,403
食用酢 2,832 2,432 2,419 2,075 1,869 1,373 897 652 608 474
その他 767 637 1,121 1,176 1,219 1,070 792 565 481 467
出荷数量 計 158,558 142,789 144,107 133,797 130,501 121,515 111,114 84,536 77,084 82,560
報告回収率 78.8% 81.2% 79.9% 74.5% 73.2% 78.6% 74.8% 70.6% 71.3% 70.5%

1.8L壜 出荷本数におけるP箱使用率の推移(2013(平成25)〜2022(令和4)年度実績)

1.8L壜の出荷本数におけるP箱出荷率は、減少の傾向がみられましたが、今年度は改善しました。
1.8L壜をはじめとするリターナブルびんの流通には、びんを傷付けずに運搬・保管するためのP箱が必要不可欠です。しかし、P箱以外(段ボール箱)での出荷や、流通過程におけるP箱の散逸・滞留などが要因となって、慢性的にP箱が不足する状況となっています。

空きびんの回収時にP箱が不足すると、まだ再使用できるリターナブルびんもバラびんとしてカレット化(砕いてリサイクル)されてしまい、回収量の減少(回収率の低下)に繋がります。
1.8L壜 出荷本数におけるP箱使用率の推移グラフ
(単位:千本)
年度 H25 H26 H27 H28 H29 H30 R1 R2 R3 R4
出荷本数 @ 158,558 142,789 144,107 133,797 130,501 121,515 111,114 84,536 77,084 82,560
 P箱での
 出荷本数 A
112,899 101,912 102,698 94,225 88,105 82,353 74,987 53,424 47,911 52,394
 P箱以外での
 出荷本数
45,659 40,877 41,408 39,571 42,396 39,154 36,128 31,112 29,174 30,165
P箱出荷率 A/@ 71.2% 71.4% 71.3% 70.4% 67.5% 67.8% 67.5% 63.2% 62.2% 63.5%
報告回収率 78.8% 81.2% 79.9% 74.5% 73.2% 78.6% 74.8% 70.6% 71.3% 70.5%

1.8L壜流通説明図

1.8L壜 購入・回収本数における新壜構成比の推移(2013(平成25)〜2022(令和4)年度実績)

昨年度までは新壜購入本数が減少しているものの回収壜の購入・回収本数の減少幅が大きいため、購入・回収総本数における新壜の構成比率は、微増傾向でしたが、今年度は新型コロナウイルス感染症による行動制限緩和がされ1.8L壜の出荷数量が増加し、購入・回収総本数も増加したものの、新壜購入総本数よりも回収壜購入総本数の増加率が少なかったため、購入・回収総本数における新壜の構成比は増加し、初めて40%を超えました。

新壜の構成比が増加すると、回収壜の需要減による滞留が発生し、びん商の在庫能力を超えたバラびんはカレット化されてしまいます。一方で、P箱不足などにより回収壜の流通量が減少したために、安定した供給が得られず、メーカーが新壜出荷に切り替えるケースもあります。 1.8L壜 購入・回収本数における新壜構成比の推移グラフ
(単位:千本)
年度 H25 H26 H27 H28 H29 H30 R1 R2 R3 R4
購入・回収総本数
@(=A+B)
154,828 147,712 145,366 136,104 132,073 123,749 111,114 84,708 78,034 87,897
新壜購入総本数 A 52,104 45,921 48,261 47,722 48,130 42,773 40,822 32,300 30,516 37,212
回収壜購入総本数 B 102,724 101,791 97,105 88,382 83,943 80,976 72,082 52,407 47,518 50,685
新壜構成比 A/@ 33.7% 31.1% 33.2% 35.1% 36.4% 34.6% 36.2% 38.1% 39.1% 42.3%
報告回収率 78.8% 81.2% 79.9% 74.5% 73.2% 78.6% 74.8% 70.6% 71.3% 70.5%