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環境省 「びんリユース推進シンポジウム」 開催

  開催日時 2015年3月11日(水)13:30〜17:00
  開催場所 ベルサール神田 ホールA
(東京都千代田区神田美土代町7住友不動産神田ビル)

 

シンポジウム会場                          シンポジウム会場

 2015年3月11日(水)環境省「びんリユース推進シンポジウム」が開催されました。 本シンポジウムでは、リユースびんの取組み事例紹介やパネルディスカッションなどが行われ、びんリユースの利用促進についての議論が交わされました。






1.主催者挨拶

環境省 大臣官房廃棄物・リサイクル対策部 企画課リサイクル推進室 室長 庄子真憲 氏
「 容器包装リサイクル法に基づき容器包装の3Rの取組みを進める中で、リサイクルよりも環境負荷の少ない取組みとして、リユースを推進しております。リユースの中でも、とりわけリターナブルびんの導入の促進について大きな課題として取り組んでまいりました。そうした中で、今年で5カ年目になりますが、“我が国におけるびんリユースシステムの在り方に関する検討会”を開催しておりまして、安井先生に座長をお務めいただき、びんリユースの推進に向けた状況や課題についてご議論をいただいております。実際に検討会での議論だけではなく、実証事業として各地域でリユースびんの利用にチャレンジしていただく取組みについて、環境省では支援しておりまして、そうした事業を通じて、びんリユースを推進する主体として地域協議会も各地で立ち上がり、取組みが広まってきております。

本日、全国から5つの協議会の代表の方にお集まりいただいております。各地域での取組みの状況について情報発信・共有をしていただきますとともに、びんリユースの取組みの自律的、継続的な発展を今後目指していかなければならない中で、様々な課題についてご議論いただきたいと考えております。」

2.基調講演 地域社会とリユース文化

 明治大学 文学部 心理社会学科 教授 寺田良一 氏


地域でリユースを進めて行く上での、「地域」とは何か、「エコ」とは何かという原理的なお話を、歴史的背景やご自身の研究室での実践的な取組み、市町村の取組事例を交えてお話頂きました。

「リユース・リサイクルの文化の背景は、それぞれ地域固有の生態系の物質循環があり、その中で一番環境合理的で、健康にも良い暮らし方、耕し方、食べ方といったものが我々の環境共存文化、生活様式というものが培われてきた元だと思います。リユースやリサイクル、循環型社会づくりの政策では地域の環境文化を十分尊重すべきです。多くの成功した地域おこしは、地域の自給的資源や物質循環をしっかり認識して、その上に地域自立、地域自給というのを組み立てています。びんのリユースの推進もこれらの成功事例と二人三脚で進めれば、親和的で順調に進展すると思われます。リユースによってCO2を減らしたり、エネルギー消費を減らしたりすると同時に地域の持っているものを有効活用していく。今後何十年で日本の山間地中心に多くの自治体が消滅すると言われている、そういった現代的な問題を解決していく一環として、びんのリユースもそれを応援するような形で進めて行くことが、一つの鍵になると思います。」

3.各地域の取組み

@ 「関東甲信越びんリユース推進協議会のびんリユース推進に向けた取組み」
関東甲信越びんリユース推進協議会 事務局長 宮永眞彦氏
山梨県 森林環境部 森林環境総務課 環境活動推進担当 主任 江原大輔氏

@山梨県における「リユースびんを使用したワインの販売・回収実験」
Aインターネットによる情報ネットワーク構築事業
Bグリーン調達としてのリユースびん利用促進に向けた導入実験
C飲食店のクローズドびんリユースシステムの展開検討  についてご報告されました。

<成果報告>
@720mlもリユースびんとして拡大することが必要であり、複数のワイナリーが参加する実証実験や返却時のシステ
   ムの検討が求められる。
Aまだ浸透していない状況。利用拡大に向けて今後も取組んでいく。
B欠点を洗い出し、次回報告する。
Cワタミで行われているびんリユースシステムは安定的かつ経済性も優位であり、他の飲食店でのびんのリユース
   の取組みを模索する。

A「東北地域におけるびんリユース推進に向けた取組」

東北壜商連合会   会長   大日方輝育氏
                          専務理事 辻 貴雄氏

東北におけるびんリユース推進に向けた取組みとして
@東北びん商連合会の概要・取組み
A東北地方の3つの協議会の取組み
B山形県・岩手県・青森県の状況  についてご報告されました。

<成果報告>
@「活きびん維新TOHOKU」の発行、啓発用の各種アイテムの紹介と配布
A1.福島県容器リユース推進協議会
   福島県全域における行政収集によるリユースびん回収拡大、対象容器の拡大、これまでの取組みの継続実施に
   よるリユース拡大
 2.宮城県びんリユース推進協議会
   720mlびんを対象とした、「宮城方式」の展開、関係主体との継続的な連携によるびんリユースの推進、これまで 
   の取組みの継続実施によるリユース拡大
 3・秋田びんリユース協議会
   回収場所や地域の様々な問題の解決につとめる、びん仕分けシステムの更なる向上を図る、 多種・多様な
   720mlリユースびんの流通量の拡大
B自治体との連携、R720 ml の普及活動、東北びん商連合会と共働推進

B 「『茶々』を使った大阪のびんリユース推進事業報告」
大阪びんリユース推進協議会 代表 福井善明氏
大阪産業大学人間環境学部 生活環境学科 花嶋温子氏

@既存のびんリユースシステムの再構築、行政へのリユースびんのさらなる普及に向けて、酒販店を活用したびん
   リユースシステムの検証
A自治体への意識調査
B販売促進ツールの開発の取組み  についてご報告されました。

<成果報告>
@柏原市:行政へ採用されるためのアプローチの方法を調査することが必要である。
   八尾市:環境への関心が高く、大阪撰茶「茶々」を自治体で初めて採用。配送・回収の協力会社が決まり、
   今後の展開が期待される。
A環境関連各部署へ、審議会における飲料容器に関するアンケートを実施した。回収率は91%。
B「茶々」をPRし、びんのリユースを啓発するためにポスター、パンフレット、チラシを作成。
   また、イベント用にのぼりとタペストリーを作成した。

C 「大和びんリユース推進協議会の取組み」
大和びんリユース推進協議会 事務局長 中島 光氏
神戸市 環境局資源循環部 資源循環課 企画推進係 係長 大村元範氏
                                                          企画推進係         高田浩之氏

@奈良市における学乳びんの情報発信
A奈良県内地方公共団体びんリユース導入可能性調査、
B奈良市・生駒市でのさらなるリユースびん入り飲料の普及
C新たな地域に根ざしたびんリユースシステム構築の検討
Dびんリユース推進地域協議会意見交換会の開催
Eリユースびん入り大和茶『と、わ(To WA)』の普及促進および情報発信  についてご報告されました。

<成果報告>
@奈良市内学校給食導入校の各学校長宛にアンケート調査、関係諸団体へのヒアリング調査を実施した。
   結果学乳びんの利用校は中学校が多く、リサイクル作業が省ける効率性を評価し環境負荷の低減に関しても
   認識を持っていることが分かった。
A橿原市において、平成27年度4月にびんリユース導入を達成するためのシステムの構築及び関係部署との
   調整を実施中である。
B奈良市:市の売店での回収率91%。成25年1月~平成27年1月間の普及本数は約672本。その他にイベント等や
   奈良市内の公民館でも会議用・講師用飲料として利用されている。
   生駒市:市の売店での回収率約90.%。平成25年1月~平成27年1月間の普及本数は約2088本。
   平成26年の4月からさらなる会議等での2Rの徹底するために原則、飲料の提供を廃止したことで、リユースびん
   入り商品の利用比率は平成25年度の19%から、70%へ上昇した。(PETボトル飲料と比較した場合)
C神戸市でのリユースびん入り商品の導入を検討するため、びんリユースに関する職員への意識調 査を行った。
   結果びんリユースに関する意識は非常に低く、意識啓発が必要であることが分かっ た。
D平成27年1月に「東海地域びんリユース推進協議会」・「大阪びんリユース推進協議会」・「大和びんリユース推進
   協議会」で意見交換会を開催し議論を深めた。
E合計取引店舗は計105店舗、3ヵ年での普及本数は3万4,798本、回収率は95%だった。経済的評価をいかにリユ
   ースびん入り商品が獲得できるかが3年間の残された重要な課題である。

4.パネルディスカッション

パネルディスカッション                           パネルディスカッション

●東海地域での活動紹介
びんリユースの取組み
〜東海地域びんリユース推進協議会の歩み〜
東海地域びんリユース推進協議会 座長
名古屋大学大学院環境学研究科 
特任講師 松野正太郎氏


東海地域びんリユース推進協議会は2014年10月14日に、東海3県(愛知・岐阜・三重)におけるびんリユースを推進し、これが地域の様々な課題の解消に貢献する方策を検討・実践することを目的に設立した。 平成26年度はリユースビジネスモデルの検討と検証・実証実験、循環の地酒「めぐる」モデルの拡大策の検討を行うことで、今後の足掛かりを作った。縦の展開と横の展開として平成27年度は「環境+経済」、平成28年度は「環境+経済+社会」を目標に取組み範囲を広げていきたい。

●ディスカッションテーマ:「地域におけるびんリユース推進について」
・ 地域本来が持っているものを十分に活かした地域づくりにリユースが噛んでいくことが環境問題に係わらない地域の問題解決の支援になる。
・ 地方公共団体はリユースの新しいマーケットになりうる。
・ 経済的評価というところにいかにアプローチをするかが重要。
・ リユースは目的ではなく、持続可能な地域を作るためのツール、地域の文化に根ざした自立を促すツールとしての仕組みなのではないか。
・ 一升びんがわずかながら復活したのはグラス売りなど消費者の飲み方が変わったため、再利用もしっかり取り組んでいきたい。
・ 回収と再利用がセットで両輪のように回らないと、びんのリユースシステムは動かない。
・ 地域性は当事者意識を持たせて深い心因を飛び越えてやる気を喚起する力があるので、地域性を明確意識させるようなものが非常に大事。
・ 自治体の職員への3Rの必要性について浸透がまだ十分でないため、その意義を付加価値として持たせてアピールしていかなければならない。
・ 役所で使うだけ、マーケットとして成熟するというだけではダメで、それを情報として市民の方々に発信することに意味がある。
・ Rマークの認知の促進とP箱のリユースがリユースびんのリユースを支えているという再認識が必要ではないか。
・ びんのリユースを点展開から面展開にしていくために、新しい強いエンジンを入れていかないと、びんリユースは世の中の多様性に埋没してしまう。強力なエンジンとして、事業者や関係主体に協力をお願い必要がある。
・ 大学で環境活動を行う学生がいる中で、教育の場もひとつターゲットとして思い描いていただきたい。
・ リユースびんの課題である経済性という点で、なぜワインがクリアしていると思うのか考えていきたい。
・ 一升びんが全国的な規模でやっていることをもっと地域レベルの取組みとしてやっていくべきではないか。
・ 消費者、事業者の取り込みという意味で、ライフスタイルの見直しとリユースを結び付けやすいような絵をしっかり描いていかないと、ライフスタイルの変革にはつながらないのではないか。
・ 協議会の将来として実際にモノをまわす事業者さんを仲介や中間支援するところまで発展させるべきではないか。
・ 我々で目標をきちんと作ることが大事で、地域振興に対してリユースびんが付加価値となる地場飲料を作る、オリンピックに向けた売り込みをかけていく。


<関連資料>

 シンポジウム閉会後、
明治大学 文学部 心理社会学科 寺田 良一 氏に一言いただきました。 

寺田教授         寺田 良一 氏

「去年から関東の座長を務めていますが、数年間の蓄積がそれなりの形になりつつあるという思いがあります。これまでは一升びんとかビールびんとか停滞しているものをどう取り戻すかという取組みだったのですが、ワインという全くリユースびんが使われていなかった分野へ新たに参入したシステムを作りつつあるということで、これが成功していけばひとつ風穴を開けられるんじゃないかと思っています。あと、山梨県庁は環境首都山梨とうたっている中で、リユースが県のブランドイメージを作ってさらにワインのイメージ作りにも貢献するということで環境と経済の両立が着実に一歩踏み出したのだと、非常に心強い思いでした。ただし、世の中の使い捨て文化という風潮の中でどうリユースの流れを作っていくのかが課題です。特に、若い人をどう取り込んでいくかというのがこれからの大きな課題になると思っております。」