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検討会・シンポジウム

環境省 「びんリユース推進シンポジウム」 in 仙台

開催日時 2013年2月18日(月) 13:30〜17:00
開催場所 ホテルメトロポリタン仙台 3階 星雲
(宮城県仙台市青葉区中央1-1-1)

シンポジウム会場
シンポジウム 会場

 2013年2月18日「びんリユース推進シンポジウム」が開催され、リユースびんの取り組み事例や関係者によるパネルセッションなど、びんリユースの更なる普及に向けた議論が行われました。


シンポジウムの内容

(1)主催者挨拶

 環境省リサイクル推進室 永島室長のご挨拶で始まりました。

 「今年は3Rの当たり年でして、循環基本計画、各種リサイクル法の見直しの時期にあたり、非常に循環型社会への注目が集まっています。その中で、リサイクルに比べて進んでこなかった部分があるリユースについては、見直しの中でもぜひ取り上げて、これからももっと進めていかなければならない、と思っています。
 震災を通じて絆というものが見直されましたが、びんリユースは人と人とを繋げる絆づくりの要素を多分に持っていると思います。更に他の素材と違い、びんには文化的な側面というものがあり、単に機械的にリサイクル・リユースを進めればいいということと違った要素もあると思っています。こういったびんリユースの特徴を踏まえながら、この東北をはじめとする地域から全国に向けて、地域活性化を進めていく観点も盛り込みながら、本日、仙台でのシンポジウムを進めていきたいと思っています。」


(2)基調講演 最近の環境の状況とびんリユース

安井 至氏
安井 至 氏

 安井 至氏(独立行政法人製品評価技術基盤機構 理事長)による、「最近の環境の状況とびんリユース」についての基調講演が行われました。
 循環型社会形成推進基本計画や容器包装リサイクル法、グリーン購入法の最近の情勢や気候変動や生物多様性といった地球環境全体について、金属のリサイクル、びんリユースをどう活性化するかなど幅広い内容で更なる循環型社会形成へ向けて進むべく講演されました。

  「びんリユースはイノベーション(新たな価値を生み出し、社会的に大きな変化を起こすこと)のひとつだと考えています。経済的な考え方だけで回っているのではなくて、文化的価値は何かとかそういうことを考えていかないと、イノベーションンも限界に来るのではないかと思います。びんリユースというのは人と人との繋がりでもって回しています。環境負荷を低減するという目的のためだけに取り組むのではなく、地域のつながりを強くする、地域の文化や伝統を守る、環境を思う人々を繋ぐ、取り組む地域社会に変化をもたらす一石多鳥な実例が出てきています。」



(3)リユースびんの取り組み事例紹介

1. 「循環社会の形成に向けて〜びんリユースを中心に〜」
  環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部  企画課リサイクル推進室 室長 永島 徹也氏
2. 「日本酒市場(リユースびん):消費者の意識」
  東北大学環境科学研究科准教授 宮城県びんリユース推進協議会 座長 馬奈木 俊介氏

(4)パネリストによる取り組み事例紹介

1. 「びんリユースの取り組み」
  宮城県酒造組合リユースリサイクル委員会 委員長 大沼 充氏
2. 「粋!意気!活きびん!(リユースびん)」
  東北びん商連合会 宮城県支部 支部長 大日方 輝育氏
3. 「奈良県におけるリユースびんを用いた大和茶飲料開発・販売事業」
  World Seed 副代表理事 中島 光氏
4. 「仙台市の取り組み みんなで進めよう!3R」
  仙台市環境局廃棄物事業部ごみ減量推進課 課長 高橋 三也 氏

(5)パネルセッション 東北地域におけるびんリユースの普及に向けて

パネルセッション

 パネリストによる取り組み事例紹介後、安井氏をコーディネーターにパネルセッションが行われました。

@ 東北地域のびんリユースについて震災以降何か変わったのか。
A 東北地方のびんリユースを今後どのように推進するのか。
B びんリユースは一石多鳥であり、そのうちで雇用の確保が今後重要になってくるがどうするのか。

以上の3点を軸に、様々な意見交換が行われました。



◎ ご意見
  • 既存のシステムの活用をはかりながら、1本でも多くのびんをリユースすることを考えています。
  • 規模が同じ程度の自治体間で情報交流することは今後大事になると思います。
  • リユース、リデュースの意味を市民の方に改めて知っていただく必要があります。
  • NPOと自治体が共同体制を構築して、びんリユースの話をしつつ一緒になってその土地の風土に合ったシステムを作っていくことが重要です。

 安井氏の言葉で、パネルセッションは終わりました。
 「自治体にとってもメリットがあるので、自治体と共同することも一つのやり方だと考えています。いかに共同するか、皆さんに是非お考えをいただきたいと思います。そして、キーパーソンをNPOから見出してコミュニティビジネスを取り組んでいただくことが、今後のびんリユースの促進へつながると思います。 また、リユースびんの公的な認知も得なければなりません。そのために形や重さなど様々な種類のあるRびんを、統一的な見解を持てるように規格を設ける必要性を感じました。」


(6)閉会のご挨拶

永島 徹也氏
永島 徹也 氏
環境省 廃棄物・リサイクル対策部 企画課 リサイクル推進室
室長 永島 徹也 氏

 パネルセッションを終え、環境省永島室長のご挨拶でシンポジウムは閉会しました。
 「本日、様々なリユースびんに関する取り組みを聞かせていただき、地域に応じていろいろな工夫をしながら、リユースびんを発展させていくという可能性を非常に強く感じました。議論の中でいろいろ話が有ったように、単純な事業の損益というだけではなく、地域と繋がる形で雇用や地域コミュニティづくりなどを含めて考えれば、非常に高い価値が打ち出せる可能性があるのではないか、と感じました。これを行政としてバックアップしていけるような仕組みとして、どのような取り組みが出来るのか、来年度以降も引き続きここにいる皆さんとともに考え、取り組んでいきたいと思います。」