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リターナブルびんの環境データ

容器包装ライフサイクル・アセスメントに係る調査事業報告書 2005年3月
飲料容器を対象としたLCA調査

環境省請負調査  財団法人 政策科学研究所

1.調査目的

ガラスびん、ペットボトル、スチール缶、アルミ缶、紙パックの各飲料容器を対象にライフサイクル・アセスメント(LCA)の手法を用いて、各容器の環境負荷の側面を把握するとともに、リサイクルや新技術による環境負荷の低減効果等を検討することを目的に実施した。

2.調査対象容器とその仕様(以下 リターナブルびんに関するもののみ記載)

ガラスびん(リターナブル)

  • [1]ビール500ml 容器重量 473.41g  ガラスびん重量 470g
  • [2]ビール633ml 容器重量 608.57g  ガラスびん重量 605g
  • [3]牛乳200ml  容器重量 186.07g  ガラスびん重量 182g
  • [4]牛乳900ml  容器重量 265.47g  ガラスびん重量 260g

3.ビールびん・牛乳びんの各工程の負荷

調査対象となった4種類のリターナブルびんは100%もしくはそれに近い回収率となっており、また平均回転数も約19〜52.5回と極めて高くなっている。
ビールびんはその多くが飲食店等業務用に使われていること、牛乳びんの900mlは宅配という供給・回収システムで使用されているものであること、牛乳びん200mlはほとんどが学校等の業務系で使用されている。


リターナブルびんのLCIデータ

容器の仕様等 ビールびん 牛乳びん
容量(ml) 500 633 200 900
重量(g) 473.41 608.57 186.07 265.47
内容物 ビール ビール 牛乳 牛乳
回収率(リユース目的、%)
ボトラーカレット率(%)
再使用率(%)
平均回転数
100.00
3.90
96.10
25.60
99.10
4.40
94.70
19.00
100.00
1.90
98.10
52.50
100.00
2.50
97.50
40.00
回収率(%)
再資源化率(%)
0.00
75.81
0.62
75.81
0.00
75.81
0.00
75.81
焼却処理・埋立処分(%)
中間処理・埋立処分(%)
直接埋立処分
0.00
0.00
0.00
0.00
0.152
0.128
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
リサイクル代替値の対象 カレット カレット カレット カレット
代替すると想定されるもの ガラス製品の新規原料、砕石 ガラス製品の新規原料、砕石 ガラス製品の新規原料、砕石 ガラス製品の新規原料、砕石
(注)水資源消費量と廃棄物排出量の数値は、容器毎に定義や対象範囲が異なるので“−”で表記した。



各工程の環境負荷(ビールびん500ml・633ml、牛乳びん200ml・900ml)


ビールびん(500ml)の各工程の環境負荷


ビールびん(633ml)の各工程の環境負荷


牛乳びん(200ml)の各工程の環境負荷


牛乳びん(900ml)の各工程の環境負荷

4.回収率による影響分析

ターナブルびんのエネルギー消費量とCO2排出量は、回収率を高めることで大幅に低減される。これは新規原料の採掘から新びん製造までの投入エネルギー量とCO2排出量が極めて大きいため、回収率の向上が環境負荷低減に大きく影響することになる。
現在の回収率が極めて高いため、回収率の維持がポイントとなる。仮に回収率が10% 下がると、環境負荷は約8%増大するという結果になり、エネルギー消費量とCO2排出量の増加分は、絶対量で大きくなってしまう。

5.ビールびん(500ml・633ml)回収廃棄比較・回収率変化による影響


ビールびん(500ml)の回収と廃棄の比較

使用済みびん1本について次の2つのケースを比較する。(数値は1本1回使用の値)
現状の回収率でリユースした場合(回収率100%)と全くリユースしなかった場合(回収率0%)
○回収された使用済みびんだけでなく、飲料メーカーから発生するボトラーカレットの一部もリサイクル代替の対象としてリサイクル代替値を計算している。そのため、回収率が0%であってもリサイクル代替値がゼロとはならない。


ビールびん500mlの回収率変化による環境負荷への影響(シュミレーション)

  回収率
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
エネルギー消費量 100.0 91.4 82.8 74.2 65.6 57 48.4 39.8 31.2 22.6 13.6
廃棄物排出量 100.0 90.1 80.3 70.4 60.6 50.7 40.9 31 21.2 11.3 1.5
CO2排出量 100.0 91.4 82.8 74.2 65.6 57.0 48.4 39.8 31.2 22.6 13.3
NOx排出量 100.0 90.8 81.7 72.5 63.4 54.2 45.1 35.9 26.8 17.6 8.2
SOx排出量 100.0 90.7 81.5 72.2 63.0 53.7 44.5 35.2 26.0 16.7 7.0



ビールびん633mlの回収と廃棄の比較

使用済みびん1本について次の3つのケースを比較する。(数値は1本1回使用の値)
現状の回収率でリユースした場合
(回収率99.1%)
回収率100%でリユースした場合 全くリユースしなかった場合(回収率0%)
○回収された使用済みびんだけでなく、飲料メーカーから発生するボトラーカレットの一部もリサイクル代替の対象としてリサイクル代替値を計算している。そのため、回収率が0%であってもリサイクル代替値がゼロとはならない。


ビールびん633mlの回収率変化による環境負荷への影響(シュミレーション)

  回収率
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
エネルギー消費量 100.0 91.3 82.6 74.0 65.3 56.6 47.9 39.3 30.6 21.9 13.2
廃棄物排出量 100.0 90.1 80.2 70.4 60.5 50.6 40.7 30.9 21.0 11.1 1.2
CO2排出量 100.0 91.2 82.5 73.7 65.0 56.2 47.4 38.7 29.9 21.2 12.4
NOx排出量 100.0 90.8 81.6 72.5 63.3 54.1 44.9 35.7 26.5 17.4 8.2
SOx排出量 100.0 90.7 81.4 72.0 62.7 53.4 44.1 34.8 25.5 16.1 6.9

6.牛乳びん(200ml・900ml)回収廃棄比較・回収率変化による影響


牛乳びん200mlの回収と廃棄の比較

使用済みびん1本について次の2つのケースを比較する。(数値は1本1回使用の値)
現状の回収率でリユースした場合(回収率100%)と全くリユースしなかった場合(回収率0%)
○回収された使用済みびんだけでなく、飲料メーカーから発生するボトラーカレットの一部もリサイクル代替の対象としてリサイクル代替値を計算している。そのため、回収率が0%であってもリサイクル代替値がゼロとはならない。


牛乳びん200mlの回収率変化による環境負荷への影響(シュミレーション)

  回収率
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
エネルギー消費量 100.0 91.6 83.2 74.8 66.4 58.0 49.6 41.3 32.9 24.5 16.1
廃棄物排出量 100.0 90.1 80.3 70.4 60.5 50.6 40.8 30.9 21.0 11.1 1.3
CO2排出量 100.0 91.8 83.6 75.4 67.2 59.0 50.8 42.6 34.4 26.2 18.0
NOx排出量 100.0 90.5 81.0 71.6 62.1 52.6 43.1 33.7 24.2 14.7 5.2
SOx排出量 100.0 90.6 81.1 71.7 62.2 58.8 43.3 33.9 24.5 15.0 5.6



牛乳びん900mlの回収と廃棄の比較

使用済みびん1本について次の2つのケースを比較する。(数値は1本1回使用の値)
現状の回収率でリユースした場合(回収率100%)と全くリユースしなかった場合(回収率0%)
○回収された使用済みびんだけでなく、飲料メーカーから発生するボトラーカレットの一部もリサイクル代替の対象としてリサイクル代替値を計算している。そのため、回収率が0%であってもリサイクル代替値がゼロとはならない。


牛乳びん900mlの回収率変化による環境負荷への影響(シュミレーション)

  回収率
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
エネルギー消費量 100.0 92.9 85.8 78.8 71.7 64.6 57.5 50.5 43.4 36.3 29.2
廃棄物排出量 100.0 90.1 80.2 70.3 60.3 50.4 40.5 30.6 20.7 10.8 0.9
CO2排出量 100.0 92.7 85.4 78.2 70.9 63.6 56.3 49.1 41.8 34.5 27.2
NOx排出量 100.0 90.7 81.4 72.1 62.9 53.6 44.3 35.0 25.7 16.4 7.2
SOx排出量 100.0 90.6 81.2 71.8 62.4 53.0 43.6 34.2 24.8 15.4 6.0

7.まとめ(所見)

[1]
リターナブルびんの環境影響は、回収率に最も大きく左右されることからビールびんや牛乳びんといった業務用を中心とした市場で、確実に回収する仕組みが構築できている業界においては、その維持が重要な課題となる。清酒や焼酎の一升びん(1.8L)も、古くから規格統一びんとしてびん商を介して共同使用されており、90%近い回収率を確保している。
[2]
飲料や食品のリターナブル使用を前提とした規格統一びんで日本ガラスびん協が認定するRマークびんは、高い回収率を確保するためのインフラ作りが急務と思われる。